巻き爪になる原因や、予防・改善のための正しいセルフケアについて足爪の専門家がわかりやすく解説します。状況に合わせて適切に対処することが大切です。
目次
巻き爪(まきづめ)とは
巻き爪とは、爪の端が内側に巻き込んだ状態のことです。変形した爪が皮膚に食い込んで、強い痛みを引き起こすことがあります。
「歩く度に痛みを感じる」「痛くて靴が履けない」「爪を切ることができない」など、巻き爪の悩みを抱えたまま放置してしまうと、足をかばう様な不自然な歩き方になったり、姿勢が変わることで腰痛などにも影響することがあります。
10代~60代を対象に行った「足のトラブルに関するアンケート調査」では、「巻き爪」が悩みだという方が21.4%を占めていました。性別問わず、幅広い年齢層で起こる可能性があります。
巻き爪のタイプ
巻き爪には、「陥入爪(かんにゅうそう)」と「弯曲爪(わんきょくそう)」という代表的な2つのタイプがあります。
(1)陥入爪(かんにゅうそう)
爪の両脇の角が内側に曲がり、皮膚に深く食い込んだ状態を「陥入爪」といいます。爪が食い込んだ部分に痛みを感じるようになり、炎症を起こしてしまうとさらに痛みが激しくなります。
(2)弯曲爪(わんきょくそう)
爪が全体的に内側に巻いた爪を「弯曲爪」といいます。
前方から見ると、爪先が逆U字型やアルファベットのCのように見えます。さらに曲がり方が強くなると「の」の字型や円形に近くなります。変形が強くなると痛むこともありますが、外観の変化だけで痛みや腫れなどの症状がない方もいます。
巻き爪の原因
なぜ、巻き爪になるのでしょうか?
巻き爪を繰り返さない為には、自分が巻き爪になってしまう原因を知っておくことが大切です。
もともと爪には、内側に巻いていく性質があります。その反対に、外部から「爪を広げる力」も加わっています。この2つの力のバランスによって正常な爪の形が維持されています。
「爪を広げる力」として分かりやすいのは、歩いている時に地面から指先、指先から爪へと加わる圧力のことです。
巻く力の方が強い状態が続くと、巻き爪になっていくと考えらえています。巻き爪の原因について、詳しくは以下にまとめておきますのでご参考ください。
巻き爪の対処法
「巻き爪が痛くて歩けない!」そんな悩みを抱えている方は、どのような対処をしたら良いのでしょうか?
対処方法を選択するときに重要なことは、巻き爪の状態を知ることです。軽度の場合と重度の場合とでは対処方法が違います。
医療機関による治療が必要なケース
爪の周囲に腫れや出血があったら、医療機関での治療が必要です。また、糖尿病の方は感染症に対する注意が必要です。巻き爪で痛みを感じたら医師に相談しましょう。
巻き爪をセルフケアでなんとかしようとする方も多いのですが、上記に該当するケースは医療機関での治療を優先してください。セルフケアも対処法の1つですが、軽度までと考えておいた方が良いでしょう。
専門家による痛みのない巻き爪ケア
ドクターネイル爪革命は足爪ケアの専門家です。専門知識と技術を学んだ有資格者が、専用機器を使って爪のメンテナンスをしています。爪が薄い方、爪が厚い方、軽度の巻き爪から重度の巻き爪まで幅広く対応しています。施設やご自宅への出張サービスがあることも特徴です。
手順1、足の状態確認・カウンセリング
足や爪の状態を確認しながらヒアリングを行います。爪の形や厚さ、傷口や炎症がないか等をチェックしていきます。(もし傷口や炎症があった場合は医療機関をご案内します。)
手順2、フットバス(足湯)・爪の掃除
清潔な状態にするために足や爪を洗います。滅菌・消毒した器具で爪アカを取り除くなど、必要な前準備を進めていきます。爪が分厚くなっている場合には巻き爪の矯正が難しくなるので、肥厚した爪を専用のマシンで削ってから矯正処置を行います。
手順3、状況に応じた巻き爪ケア
ワイヤーを使う方法
所要時間は15分前後です。爪が皮膚から離れた部分にフックをかけ、引っ張って器具を取り付けます。ケアの後も痛みがなく、その日からお風呂も入れます。引っかかりが無いようコーティングしますのでスポーツも可能です。
この動画のケースでは、専用の器具を使って内側に巻き込んだ爪を優しく外側に開いています。時間をかけて爪を健康な状態に矯正し、正常な状態で伸びるように促していきます。
重度の場合、器具は2~3週間に一度交換する必要があります。
クリップを使う方法
巻き爪用のクリップを使い、爪を矯正して伸ばす方法です。一般医療機器として市販されており、自分で付け外しができるメリットがあります。
クリップの両端にあるフックを爪先に引っ掛ける簡単な矯正方法です。形状記憶合金の元に戻ろうとする力で、曲がった爪を伸ばそうとします。ただ、深爪をしていると装着ができません。爪の形・大きさ・厚さによっては別の対処が必要です。
セルフケア
次に、セルフケアによる対処法をご紹介します。セルフケアにも様々な選択肢があります。
爪を適度に伸ばす【軽度対象】
極端な深爪をしている場合、コットンパッキングやクリップなど選択できない対処法が増えてしまうので、まずは爪を適度に伸ばすことも重要な対処法の1つです。
爪切り(スクエアカット)【軽度対象】
爪を切らずに長くしていると、外部から爪に圧迫を受けやすくなります。適切な爪切りをして対処しましょう。
爪を四角くカットすることにより、巻き爪の予防になるだけでなく、軽度の症状であれば改善されることもあります。
コットンパッキング【軽度対象】
巻き爪の最も簡単な応急処置としてよく行われる方法にコットンパッキングがあります。お風呂上りなど、爪が柔らかくなっているときに、米粒程度に丸めた乾いたコットンをピンセットで爪の角と肉の間に入れます。食い込んだ爪を指の外に出すように持ち上げる方法です。
コットンパッキングをすることで、爪と肉の部分にすきまができます。これを繰り返すうちに、爪の角が上に伸びて肉に刺さらなくなり、痛みも緩和されます。
綿は、一度にたくさん詰め過ぎないようにしましょう。無理に綿を詰め込むと爪が折れてしまいます。爪が薄い方はコットンを少しずつ詰めるようにしましょう。
テーピング【軽度対象】
軽い陥入爪の場合、テーピングで皮膚を引っ張って皮膚を爪から離す方法があります。くい込まれている指の皮膚を、外に引っ張るか、下に引っ張り、爪と皮膚の間に隙間を開ける方法です。
テープを爪が食い込んだ皮膚に貼って、その後らせん状にねじりながら引っ張りつつ趾にテープを貼ります。爪を切りすぎて生じたような一過性の陥入爪であれば、このテーピングで十分改善が期待できます。
巻き爪用クリップ【軽度~中度対象】
巻き爪用のクリップを使い、爪を矯正して伸ばす方法です。一般医療機器として市販されており、自分で付け外しができるメリットがあります。
クリップの両端にあるフックを爪先に引っ掛け、テープで固定するだけの簡単な矯正方法です。形状記憶合金の元に戻ろうとする力で、曲がった爪を伸ばそうとします。ただ、深爪をしていると装着ができません。爪の形・大きさ・厚さによっては別の対処が必要です。
専門知識と技術が必要な巻き爪ケア
知識や技術において、認定を受けた有資格者が行える巻き爪ケアをご紹介します。
プレート矯正法【軽度~中度対象】
軽度~中度の巻き爪に対して、有効なケア方法として「プレート法」があります。言葉の通り、爪の表面にプラスチックや金属等のプレートを貼り付けて、その引っ張る力で巻き爪を矯正します。
プレートを接着剤で爪に固定するだけなので、痛みがなく、負担の少ないことがメリットです。矯正力がワイヤーに比べて弱く、プレートが爪から外れてしまうデメリットがあります。
爪が丸まって硬い場合はワイヤーが使えない事があるため、一旦このプレートで弯曲を改善する際にも用いられます。
ワイヤー矯正法【軽度~中度対象】
爪に形状記憶合金ワイヤーを取り付け、ワイヤーが元に戻ろうとする力を利用して巻き爪の食い込みを引き上げる方法です。爪の食い込みによる痛みを軽減しつつ、ワイヤーが日常生活の邪魔にならないようにコーティングして矯正してきます。
巻き爪の厚さや状態により違いますが、2~3カ月で良くなる人もいれば、半年やそれ以上かかる人もいます。巻き爪の状態に応じた技術と経験が必要な対処法です。
※出血・化膿している場合は、医師がいる施設での処置が必要です。
病院によって違いはありますが、一般的には皮膚科や整形外科となります。
爪は皮膚の一部になるので一般的には皮膚科に行けば良いのですが、化膿していたり、症状がひどい場合には、形成外科や整形外科を紹介されることがあるようです。
ドクターネイル爪革命では、上記の対処法のうち爪切り、コットンパッキング、プレートやワイヤーを用いた矯正法(爪に穴を開けない方法)など、医療行為以外の巻き爪ケアを担当しています。
巻き爪ケアのビフォーアフター
巻き爪の予防法
巻き爪は自然に発生するものではなく、人為的な原因で発生するものです。私生活で爪を切る時の習慣として、正しい爪の切り方を意識をすると予防につながります。
【1】正しい爪切り
爪切りは最も大切なセルフケアです。巻き爪になった場合、どのように爪を切れば良いのか困ったことはないでしょうか?爪が肉に食い込んで痛みを感じると、少しでも痛みを軽減しようと考え、爪の端を深く切ってしまう方がいます。
しかし、爪を深く切ることはかえって逆効果。切ったときは、食い込みが軽減されて痛みは治まりますが、再び爪が伸びる時に以前よりも食い込んで悪化することがあります。巻き爪に悩む方にとって、深爪は決してやってはならない爪の切り方なのです。
巻き爪を予防したい方には、上図のようなスクエアカットがおすすめです。スクエアカットは、皮膚から水平に切って角を残す切り方です。特に、爪の左右の端の部分を切り過ぎないように気をつけましょう。爪は曲線で切るのではなく、まっすぐ四角にカットすることを意識した方が巻き爪になりにくくなります。
また、爪を伸ばしすぎるのも巻き爪の原因となるので、爪先の白い部分を1ミリ程度残すようにしてこまめに整えるようにしましょう。
深爪をしないことと、爪を伸ばしすぎないこと。この二つに注意していれば、巻き爪は起こりにくくなるでしょう。市販されている巻き爪用の爪切りを選ぶと、セルフケアも楽になるかもしれませんね。
【2】靴のサイズに注意する
次に、巻き爪を防ぐための重要なポイントは「適切なサイズの靴を履くこと」です。小さ過ぎる靴は論外ですが、大き過ぎる場合にも、歩く際に足の親指が動いて靴にぶつかってしまい、結果として巻き爪になることがあります。指先の余裕は5~10mmぐらいを目安にして、自分の足型や「土踏まず」がきちんとフィットしている靴を選ぶことが大切です。
女性は靴を選ぶ際、履き心地よりも見た目を重視することがあるため、そうした靴が足に多大な負担を掛けてしまうことを覚えておきましょう。
よく誤解をされてしまうのですが、爪は本来柔らかいものなので、両側から強く圧力を掛けられると変形してしまいます。ハイヒールなど、靴の爪先が急に狭くなっているような形の靴は、親指と小指の両側から強い圧力が掛かってしまうので、出来るだけ避けた方が良いでしょう。
【3】適度な歩行運動
爪は、放っておくと自然に内側へ曲がる性質があります。歩行によって常に下から圧力をかけることが、平らな爪を維持する上で重要です。適度に歩行することは、巻き爪の予防になります。
巻き爪を治したい方へ
巻き爪で懸念されることは、放っておくことによる症状の悪化です。
「痛いけど我慢できる、いつか自然に治るだろう」と自己判断をするのは危険です。放置したことによって更に悪化するケースは決して少なくはありません。
また、「巻き爪 治し方」とインターネットで検索し、巻き爪を自分で治そうとしたら悪化させてしまった、という方もいらっしゃいます。ネット上の他人の体験談を信じ込まないようにしてください。ご自身の状況に応じて、医師や専門家に相談することをおすすめいたします。
当社で行ったアンケートでは、専門家に頼まずに対処した方のうち、約半数の方が治らなかったという回答結果がありました。
病気や怪我と同じように、対処が早ければ早いほど効果的です。お気軽にご相談ください。
巻き爪の悩み相談
爪の食い込みが気になる方、違和感を感じつつ放置してしまっている方は、ドクターネイル爪革命の相談窓口をご活用ください。
巻き爪ケアのご案内
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